2023/03/30
4月は市の健診はありません。また特別お休みをいただくという予定はいまのところありません。
ただいままで土曜日に来ていただいていた足立壮一先生、先生は小児科医で京大医学部の健康科学の現役の教授でしたが、この度滋賀の県立総合病院の院長になられることになり、3月いっぱいで残念ながらおいでいただくことができなくなりました。先生には大変お世話になり、心からの感謝をささげるとともに今後のご発展を祈りたいと思います。
代わって4月からは奈良の天理病院で小児科部長であった土井拓先生にやはり土曜日においでいただくことになりました。実は土井先生は西舞鶴高校の出身ですのでよろしくお願いします。
だいぶん暖かくなりインフルエンザはかなり下火となってきました。一応シーズンは終わりつつあると考えています。
コロナですが、こちらも今のところですが発生数はかなり少なくなってきました。コロナについては報道などで皆さんもある程度ご存じと思いますが、大きな方針転換が考えられています。屋内での着用を求めているマスクも、発熱などの症状がある人や感染予防の必要がある人などを除いて原則不要とすることも検討されています。まあ医療施設ではいつまでとは言いえませんがほぼ今のままの感染予防の措置を続けることになるでしょうが。
コロナは5月からはインフルエンザと同じレベルの5類に分類されることになっています。5類に見直せば、今までのような堅苦しい措置は季節性インフルエンザ並みに変更され、入院勧告、就業制限、外出自粛、健康状態の報告などの要請がなくなり、一般医療機関の受診や入院が可能となります。またワクチン接種は厚労省の審議会ではインフルエンザと同様重症者を減らすことを目的とし、高齢者など重症化リスクが高い者を接種の対象としてはどうか。また子ども(5歳~11歳)や乳幼児(6ヶ月~4歳)は、接種開始からの期間が短いため、あわせて接種期間を 延長するとしています。 接種スケジュール については重症化予防効果は接種後6ヶ月以上、死亡予防効果は接種後10ヶ月以上持続する一方有効性の十分な持続が見込めないと判断できる時期は接種後1年程度と考えられる。 感染症の流行周期は明らかではないものの、流行開始以降、年末年始周辺に死者数や感染者数等の比較的 大きなピークを認めている。 少なくとも年末には接種の有効性を発揮する必要があると考えられるなどが提言されています。
治療費については、当面は公費での負担は継続され段階的に廃止する方針、つまり医療費は保険診療となり自己負担が発生します。また、感染者数の集計は、これまでの全数報告から特定の医療機関からの報告に基づく定点把握となります。幅広い医療機関での診療や入院が可能となったからといってすべてが円滑に回る保証は何もありませんし、医療費が個人負担となることで受診抑制が出るとかクラスターを把握しにくくなり感染の動向がつかめなくなる可能性などの課題は多く残っています。
子宮頚がんワクチンですが私のところでも希望される方には接種させていただいています。これについてはいまだにいろいろの意見がありますが、世界中で受け入れられているワクチンであり、その有効性については確立しています。日本では子宮頸がんの発生が明らかに増加してきていることもあり、このままでは先進国の中でも突出したがん大国というそしりを受けかねないことが予想されます。もちろんこれは女性を守るという意味でのジェンダーの問題でもあります。接種の対象は小学6年生から高校一年の女子で、6~12か月以内に計3回(ガーダシル)または2~3回(シルガード;最近認可されました)の接種が必要です。接種率はまだまだ低いので該当される子供さんをお持ちの親御さんはできるだけ受けることを考えていただければと思っています。
また今は花粉症真っ盛りの季節です。今年はいつになく症状が重い子供さんが多いように思います。特に目の症状が強いようです。重症化すれば、寝られない、気が散って勉強できない、仕事がはかどらないなど生活の質に大きく影響します。気を付けるという点では、布団や衣類を外に干さないことや、外出するときはゴーグルや帽子、またできるだけ化学繊維の衣類を着ないなども一応有効であるとされます。以前と違って今は飲み薬でもあんまり眠くならない薬もありますし、目薬も結構効果のあるものがあります。飲み薬で十分でなければ鼻への噴霧も使いますし、どうしてもだめなら最近はアレルギーについては新しい治療法が次々と開発されていて花粉症に対しては期間を区切って注射で対応することもあります。いずれにせよ基本的には一回は採血して何時から何時までがリスクの高い期間かということを事前に知っておいてその期間はきっちり対応するということがよいでしょう。