2022/09/30
10月に入ったら3日(月)よりインフルエンザワクチンの接種を始めます。今年の冬にはコロナウイルス感染症の第8波が来るかもしれないということもあり、国もワクチンは例年より多めに作成しているということですので、できるだけ接種を受けられることを勧めます。
特にここ2年は皆さんが感染予防に努められたこともあり、またインバウンドもなかったのでほとんどインフルエンザの流行がなかったのは事実です。これにどんな問題があるかというと例年ならできていたはずの集団免疫が今年は成立しておらず、いったん流行が始まるとなかなかコントロールがむつかしい状況となる可能性があります。この点からもやはりインフルエンザワクチンは受けられることが望ましいということになります。ただ、やはりここで問題なのは、コロナの第8波です。ある程度流行が収まっていると思われる今でもコロナのせい―発熱外来での対応、患者数の制限などーで一般の診療が圧迫されているのは事実です。その上に一応12月には第8波が始まると一部では想定されていて、もしそうなると多くの方が接種の機会を失うこともあり得ます。私のほうも例年より早めに接種開始としますので、できるだけ10月~11月のうちに少なくとも一回目の接種は終わっておかれることを勧めます。
5日(水)の午後は市の4か月健診があり、そのほかの水曜日の午後も子供園の健診などで詰まっています。ただその時間帯はすべて以前応援に来ていただいていたこともある元国立京都医療センターの小児科部長秋山祐一先生にお願いしてありますので、10月には休診はありません。つまり午後から夕方の接種時間帯は増やしてありますので、インフルエンザワクチンの接種予約をよろしくお願いします。なおもちろん午前と夕方は通常通りです。
ただやはり、コロナの流行状況によってはどうなるかわからないということも考えねばなりません。そのリスク軽減のため今年はインフルエンザワクチンの接種は原則として当クリニックにカルテのある方のみとさせていただきたいと思っています。コロナ感染症は発熱外来での対応のほかにもカルテの記載や事務的な処理などが通常と異なってきわめてややこしいものとされており、コロナが増えてくるといろいろの手間がかかってどうしても通常の診療などを圧迫します。子供さんにコロナが爆発的に広がった今年の8月などはそれで本当に大変だったのです。そのような状況が再来するとなると新しくカルテを作成する時間さえも無くなることが危惧されるのが大きな理由です。
その他については手短にお話しておきます。台風一過、急に涼しくなってきました。これら台風と急激な気温の変化の影響もあり、喘息や鼻炎などのアレルギー症状が多くみられます。特に機関が若干弱い子どもさんに顕著です。これらについての基本的な治療は症状が出ないようにコントロールすることです。少なくとも軽い症状のうちに対処することを心がけてください。
秋から冬にかけて空気は乾燥しています。特に乳幼児では皮脂腺の機能が十分でないことから乾燥肌となりそれがアトピー性皮膚炎の原因となります。これについてもひどくならないうちに保湿を心がけてください。
最後にコロナ感染症とワクチンのことを少し話します。多分ですが、新型コロナウイルスは弱毒化してきており、実際7波では高齢者で病気持ちの方が肺炎ではなくその基礎疾患が重症化して亡くなるということが増えてきました。軽症者が亡くなるというのは論理的には大きな矛盾です。基本的な考えがおかしいとしか言えません。ウイルスはうそをつけません。科学に基づいた論理的な対策以外には感染を抑制する方策はありません。「効果があるように見える」ということと「効果がある」ということとは別物です。
まず弱毒化したとはいえオミクロン対応ワクチンは高齢者やリスクの高い部分―医療従事者や介護従事者-には必要であろうと思います。これからも変異株は出てくるのでしょうし、それに対応するワクチンも必要とはなるでしょう。mRNAワクチンは緊急事態への対応として何千万というコロナで亡くなられたかもしれない人たちを救ったことは確かでしょうが、今後弱毒化して通常のウイルス感染症もしくはインフルエンザと同等の感染症となった時、改めてその功罪を検証することは極めて大切だと思います。抗体課の下がりが早い、つまり効果がワクチンとして一過性であ(りすぎ)ることとやはり副反応をどう考えるかです。薬については今の抗体薬はオミクロン株にはあまり効果がないといわれていますし、ラゲブリオなど飲み薬が保険収載されたといっても実際にどこでも誰にでも薬が使えるまでにはまだまだ一波乱も二波乱もありそうです。